

奥日光は、もうすっかり冬景色になりました。
あんなに美しかった紅葉もすっかり落ち、樹木だけが気持よさそうに天に向かって背伸びしている。
その木の間から湯の湖の水がきらきらと 、まるで宝石の様に輝いています。あちこちに雪がふんわりと残っていますが、根雪にはまだまだと思う暖かい日が二、三日続いています。
奥日光の四季は雪から始まります。真っ白な雪にすっぽりと包まれ、日暮れ
にあちこちの窓に暖かそうな灯がともり、月明かりで小さな温泉場はほんのり明るく、それはおとぎ話の世界です。
そして春。雪の中から雄雄しく立ち上がり薄紅色の愛らしい花をつける石楠花から始まって、やしおつつじ、
東国三つ葉とお花の競演は八月まで続きます。
そして夏。緑一色、それぞれの木が競い合って、私の緑が一番と言っています。
そして秋。錦織成す絢爛豪華な一時が終ると、何の装いも無く、自然そのまま、なんのてらいも無い姿が人の心を落ち着かせるのでしようか。この町に住む者にとって、一番心癒されるときです。
先日、この話をしましたら、「そんな所へ行ってみたい」と、都会の人。
「お安い御用。何時でもどうぞ」と言ったものの、明日の朝、目が覚めたら銀世界だったらどうしようと思っていましたら、翌朝、その通り、やわらかい雪が木の上にも道の上も・・・。
季節は気まぐれ。
気まぐれ彼女に会うつもりで静かな奥日光にいらっしゃいませんか。
思いがけない発見があるかもしれません。今年は本当のホワイトクリスマスになりそうです。
静かな山里でほっとしたい方、のんびりとお出かけください。
『白い湯に 柚子の黄映える 雪待宿』
女将 小西令子
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